調査レポート
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【中央大学とギグワーク・副業についての実態調査を実施】副業開始のハードルを「プライベート時間の確保」とした人が約4割

スキマバイトサービス「タイミー」を運営する株式会社タイミー(所在地:東京都豊島区、代表者:小川 嶺)はギグワークについての実態調査を実施しました。コロナ禍で副業への関心が高まる中、スキマ時間に働くことができるギグワークがどのようなイメージを持たれているのか。また、これまでギグワークといえば勤務先との契約形態として連想されやすかった「業務委託契約」締結型のギグワーク(業務委託型ギグワーク)と、新しく登場してきた「雇用契約」締結型のギグワーク(雇用型ギグワーク)それぞれへの印象等を調査しました。

調査概要

 

調査対象
 調査会社モニター 男女18~69歳
調査地域
 全国
調査方法
 インターネットリサーチ
調査時期
 事前調査:2021年5月26日(水)~5月27日(木)
 本調査 :2021年5月26日(水)~5月27日(木)
有効回答数
 事前調査:20,000ss うち、人口動態に則った10,000ssを分析として活用
 本調査 :824ss
調査委託先
 株式会社マクロミル
     

  • TOPICS

【会社員の副業について】
・副業をする上で、ハードルに感じている/感じそうなことは「プライベートの時間が保てなくなりそう」36.6%、「『副業』をするほど体力が余っていない」31.5%。
・「今の仕事の給料だと足りないので、スキマ時間に掛け持ち(副業・アルバイト)をして補填したい」と、スキマ時間の有効活用による副業の実施を検討している人は、会社員全体の半数をこえた。

【ギグワーク、雇用型ギグワーク/業務委託型ギグワーク※について】
・「雇用型ギグワーク」の就労意向は49%と、『業務委託型ギグワーク』の就労意向31%よりも高い結果に。
・「雇用型ギグワーク」をやってみたいとする理由としては、「労働条件が法的に保護されている・安心できる」が多く、反対にやりたいと思わない理由としては、「仕組みなどがよくわからない」などが挙げられた。
・「業務委託型ギグワーク」をやってみたいとする理由としては、「成果に応じて報酬がある」が多く、反対にやりたいと思わない理由としては、「法的保護がなく、不安」が挙げられた。
・ギグワークを1年以内に経験した人のうち41%が、コロナ禍以降「雇用型ギグワークがあり助かる」と回答。

※雇用型ギグワークとは、単発の仕事にマッチングする際に都度雇用契約を結ぶ形態のギグワークのこと。通常の長期雇用アルバイトと同様、労災や最低賃金などの保障がある。
一方業務委託型ギグワークは、労働者は業務を委託される個人事業主となる。成果報酬型のため働けば働いた分だけ報酬を得られるが、最低賃金や労災などは一般的に保障されていない。
 

  • 総評

中央大学大学院 経済学研究科 委員長
中央大学 経済学部 教授
阿部 正浩 氏

「コロナ禍にあって、やむなく失業や休業になったり、テレワークでスキマ時間が出来たりしたことで、副業やワークシェアリングに再度注目が集まっている。特に失業や休業にあった人々にとって、職探しや職業訓練の合間のスキマ時間に仕事が出来ることは、生活を維持するうえでの重要なセーフティネットになりつつある。
ところで、総務省「就業構造基本調査」によると、2017年に副業している人の割合は4.0%だった。また、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2020」によると、2019年に雇用者のうち副業を行っている者の割合は12.7%であり、考えられているほど副業が普及していたわけではない。
今回の調査では副業を行っている雇用者の割合は分からないが、副業希望者は雇用者の約半数だった。副業を希望しつつも実際にできないのは、    「プライベートの時間が保てなくなりそう」や「『副業』をするほど体力が余っていない」という働く側の課題もあるが、「副業が解禁されていない」といった使用者側の課題も見られる。今後、こうした課題について労使で議論し、解決策を見出していくことが、副業やワークシェアリングの正しい普及に繫がると考えられる。
また、「業務委託型ギグワーク」に比べて「雇用型ギグワーク」での就労意向が強いという調査結果は、労働者保護の重要性について働く側が強く認識していることの現れだ。副業などで雇用類似の働き方が増えているが、そうした働き方が労働者の不利益にならないよう、労働政策として労働者保護の範囲や内容について検討していくことが必要だ。
ギグワークについては、その働き方や課題など十分に解明されていない点もあり、今後も調査研究を継続していく必要がある。」
 

  • 調査結果の概要

※調査結果をご紹介いただく際には必ず「ギグワーク研究所調べ」と注釈をご記載ください。

【会社員の副業についての調査パート】
■概要1
副業の解禁割合は全体の34%。従業員規模50人未満の小規模企業での方が比較的解禁割合が高い。また、世帯年収の高い家庭の方が勤めている企業の副業解禁が進んでいることがわかった。

会社員の副業解禁状況

対象:会社員 n=435 ※本調査回答を母数とする

■概要2
会社員の働き方への意識を問う問いでは、「本業をしながら、副業しないと家族を経済的に支えていけない時代が来る」56.3%、「将来的には副業も視野に入れている」56.6%、「副業でスキルを身に付けたい」52.2%と上位。全般的に29歳以下でのスコアが高く、若い世代ほど副業への意識の高さがうかがえる。

会社員の働き方への意識

対象:会社員 n=435 ※本調査回答を母数とする

■概要3
副業をする上で、ハードルに感じている/感じそうなことは「プライベートの時間が保てなくなりそう」36.6%、「『副業』をするほど体力が余っていない」31.5%がトップ2という結果になった。

副業をする上でハードルに感じている/感じそうなこと

対象:会社員 n=435 ※本調査回答を母数とする

【ギグワーク・雇用形態別ギグワークについての調査パート】
■概要4
会社員のスキマ時間での働き方への意識を問う問いでは、「今の仕事の給料だと足りないので、スキマ時間に掛け持ち(副業・アルバイト)をして補填したい」56.3%と、会社員の半数以上がスキマ時間を有効活用した副業を検討していることがわかった。

スキマ時間での働き方への意識

対象:会社員 n=435 ※本調査回答を母数とする

■概要5
リタイア層の働くことについての意識を問う問いでは、「スキマ時間で働けるのならスキマバイトをやってみたい」「年金だけでは不安だから、スキマ時間に仕事をやりたい」「スキマ時間で色々な仕事ができるのなら、そちらの方が楽しい」が5割以上で上位。体力的にフルタイムで働くことはできないものの、短時間であれば多種多様な仕事を試してみたい、というニーズがあることが分かった。

リタイア層の働くことへの意識

対象:リタイア層 n=103 ※本調査回答を母数とする

■概要6
「雇用型ギグワーク」の就労意向は49%、『業務委託型ギグワーク』の就労意向は31%。

雇用型ギグワーク・業務委託型ギグワークそれぞれへの就労意向

対象:全体 n=824 ※本調査回答を母数とする

<雇用型ギグワークへの就労意向理由>
「やってみたい+少しやってみたい」
・労働時間が法的に保護されている・安心できる
 「社員と変わらず守られている部分があるから」(会社員/男性40代)
 「最近出てきた働き方なので、何かあった時のために法的に守られているのは魅力的だから」(会社員/女性29歳以下)
 「単発、短時間業務なのに労災等があり、想定よりちゃんとしているから」(会社員/女性30代)

・スキマ時間を有効活用できる
 「今の仕事は時間に余裕があるので、空いた時間を活用できそうだから」(会社員/男性30代)
 「無駄な時間を有意義に使えそう。生活にメリハリがつく。お金が貯まる」(学生/男性50代)
 
「あまりやりたいとは思わない+全くやりたいとは思わない」
・ギグワーク自体に興味がない・必要としていない
 「本業以外に働く意欲がない」(会社員/男性40代)
 「今の自分には必要ないと思うから」(会社員/男性50代)

・仕組みなどがよくわからない
 「聞き慣れない言葉だから」(会社員/男性40代)
 「具体的なイメージが湧かないから」(学生/女性29歳以下)

<業務委託型ギグワークへの就労意向理由>
「やってみたい+少しやってみたい」
・成果に応じて報酬がある
 「成果に応じて報酬をもらえる点が魅力的だから」(自営業、パート・アルバイト/男性30代)
 「成果が目に見えるのはやる気につながると思うから」(学生/女性29歳以下)

・収入が得られる
 「最低賃金以上の収入を得られる可能性もあるから」(専業主婦(主夫)/女性29歳以下)
 「お給料が良さそうなので」(専業主婦(主夫)/女性50代)

「あまりやりたいとは思わない+全くやりたいとは思わない」
・法的保護がなく、不安
 「法律で守られていないので給料等をちゃんと貰えるか心配」(会社員/男性29歳以下)
 「法的義務がないのでトラブルに巻き込まれそう」(会社員/男性30代)
 「法的保護がないため、万が一何かあった場合保障がなく不安」(専業主婦(主夫)/女性29歳以下)

・不安/怖い/信用できない
 「リスクが高い」(60代以上の退職者/男性)
 「個人事業主という言葉だけで怪しいイメージ」(会社員/女性29歳以下)

■概要7
ギグワークを1年以内に経験した人のコロナ禍以降の雇用型ギグワーク・業務委託型ギグワークそれぞれへの印象をみると、「雇用型ギグワーク」は「この働き方形態があり助かる」が41%で最も高く、これに「自分に合っている」「暇つぶしにちょうどいい」「時代にあっている」が2割台で続く。
『業務委託型ギグワーク』は「自分に合っている」「時代にあっている」(各32%)が上位にあがった。

コロナ以降の雇用型ギグワーク・業務委託型ギグワークそれぞれへの印象

対象:一年以内にギグワークを経験している人 n=84 ※本調査回答を母数とする

 

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