スキマバイトサービス「タイミー」を提供する株式会社タイミー(所在地:東京都港区、代表取締役:小川 嶺)は、ご登録いただいている事業者442社を対象に、「物流2024年問題」についてのアンケート調査を実施しました。
自動車運転業務などの時間外労働の上限規制からおよそ半年
労働時間減少による輸送能力の低下などの懸念から、社会的な関心を集めた「2024年問題」。今年4月に行われた自動車運転業務などの時間外労働の上限規制適用から、およそ半年を迎えます。
タイミーでは、3月にもご登録いただいている事業者に対し、対応状況に関するアンケート調査を実施(※1)しましたが、「2024年問題」によってどのような変化や影響が起きているのかを物流関連業界のみならず周辺業界も含めて改めて調査しました。
※1 物流2024年問題に関する意識調査レポート(2024年3月28日)
実態調査のトピックス
- 「『2024年問題』対応完了の目処立たず」 物流関連業界以外も含む事業者の約4割
- 24年4月「時間外労働上限規制」適用以降の変化 「コスト増」 目立つ
- 24年4月「時間外労働上限規制」適用以降の働きやすさ 4分の1以上の事業者が
「働きにくくなった」と回答 一方で労働時間に対する意識改革 進む - 「2024年問題」対応の成果
「荷降ろし時間削減に成功」「人手不足解消と職場環境改善」 - 「タイミー」やスポットワーカーに期待すること
「ワーカーの引き抜き・お試し勤務を通じた採用支援」が最多
実態調査 結果詳細
「2024年問題」対応完了の目処立たず 物流関連業界以外も含む事業者の約4割
「タイミー」に登録している事業者442社(※2)に対して、「『2024年問題』への対応の度合い」について聞いたところ約7割の事業者に対応が発生していると回答しました。
※2 事業者の業界内訳については、本プレスリリースの「調査概要」参照
また、対応が発生している事業者に対して「対応状況」について聞いたところ、35.6%の事業者が24年3月時点で対応完了済み、4月から8月の間に対応完了した事業者は15.8%と8月時点までで対応完了している事業者が過半数を超えました。「完了予定」を含めて24年12月までに完了予定の事業者が7.0%、25年1月以降の予定と回答した事業者が3.0%となりました。その一方、約4割の事業者が「対応の目処が立っていない」と回答しました。
24年4月「時間外労働上限規制」適用の変化 コスト増目立つ
続いて「時間外労働上限規制」適用後の変化について、「増えたもの」は「燃料・資材価格」が75%を超え、「人件費」についても50%を超えるなど、コスト増が実態として浮き彫りになりました。他に増えたものは、「作業人員」「給与」「業務量」が挙げられました。一方、「減ったもの」として「残業時間」「荷量」「輸送距離」などが挙げられました。各社が「2024年問題」の対応として、ドライバー等の「時間外労働」を発生させないよう、荷役分離を図り、「作業人員」だけでなく「給与」のベースアップなどの対応を進めていることが伺えます。
24年4月「時間外労働上限規制」適用以降の働きやすさ 4分の1以上の事業者が 「働きにくくなった」と回答 一方で労働時間に対する意識改革 進む
「時間外労働上限規制」適用後の働きやすさについては、「変わらない」との回答が最多となるも、4分1以上の事業者が「働きにくくなった」と回答しました。一方、少数派となりましたが、「働きやすくなった」との回答も見られました。
「時間外労働上限規制」適用後の働きやすさに関する具体的な事業者の回答は以下の通りです。
基本給の上昇により残業有りきの給料ではなくなり、従業員の意識が無駄な残業をせず、限られた時間の中で作業効率を上げる意識が定着しつつある (倉庫業、「やや働きやすくなった」と回答)
労働時間の意識改革が進み、ドライバー、事務職の間で意見交換がしやすくなった。 (運輸業・郵便業、「やや働きやすくなった」と回答)
働きやすくなった点もあるが、激しく変化する業務内容や流通商品の変化と変更に対応することがとても困難である。 (卸売業・小売業、「やや働きにくくなった」と回答)
以前より配送が遅くなったため、荷受担当のパートさんがいない時間に配送トラックが来るケースが増えた。 (卸売業・小売業、「やや働きにくくなった」と回答)
配送が遅くなった、業務内容や商品の変化・変更などへの対応に苦慮する声も見られますが、労働時間に対する意識改革が進み、限られた業務時間の中で作業効率を上げる意識が定着するなどの良い影響も見られました。
「2024年問題」対応の成果 「荷降ろし時間削減に成功」「人手不足解消と職場環境改善」
物流2024年問題の対策として、「タイミー」やスポットワーカーの活用で取り組んだことやその成果について尋ねたところ、以下の回答が得られました。
「タイミー」の利用により、社内業務の整理・見える化を促進できた (運輸業・郵便業)
「タイミー」で来ていただく方が作業しやすいように業務内容を調整して運用した結果、リピートで働いてくれる方が増えて作業効率が良くなった(運輸業・郵便業)
荷降ろしスタッフの募集に「タイミー」を活用し、荷降ろし時間の削減とドライバー・倉庫作業員の負荷軽減に大きな成果を上げることができた。 (運輸業・郵便業)
今まで募集しても集まらなかった職種の人員が確保できた (運輸業・郵便業)
「タイミ-」からの人材で正社員の負担が減り、人手不足が解消され、一緒に働く人への気遣いが良くなった。 (倉庫業)
「2024年問題」の対策として「タイミー」やスポットワークに期待すること 「ワーカーの引き抜き・お試し勤務を通じた採用支援」が最多
最後に物流2024年問題の対策として「タイミー」やスポットワークに期待することを尋ねたところ、「ワーカーの引き抜き・お試し勤務を通じた採用支援」が最多となりました。
先述の項目でも「今まで募集しても集まらなかった職種の人員が確保できた」といった形で、スポットワークが採用手段の一つとして活用が進んでいるようです。
なお、タイミーでは、物流業界では、コロナ禍以降、業界専門チームを立ち上げ、様々な現場と向き合い、深刻化する人手不足の解決策を提案してきました。24年6月よりセンコーとスポットワーカー活用を前提とした物流センター運営に着手し、庫内のスポットワーカー比率を高め、働きやすい拠点の検証を進めています(※3)。また、ワーカーレビューと向き合い就業環境改善に努め、定着率を改善させた物流事業者様(※4)や、「タイミー」をきっかけに物流業界の楽しさを知り、長期就業に移行したワーカー(※5)などの成功事例が多数生まれています。
また、採用支援では、キャリア形成や正社員転職を支援するサービス「タイミーキャリアプラス」を24年2月よりスタートしています。「タイミーキャリアプラス」は、資格・免許・スキル習得支援に加え「タイミー」上での勤務実績を基に正社員の求人を紹介するサービスです。選考の途中段階で、「タイミー」の仕組みを生かした「お試し勤務」を実施することが可能です。サービスリリースから転職相談件数は600件(24年6月時点)を超え、136,000社(24年9月時点)の導入事業者の中でも正社員ニーズがある企業においてのご利用が広がっています(※6)。
当社は、「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」のミッションを掲げています。今後も働き手が誰でも、いつでも、どこでもタイミーを使って働くことができる世界を実現し、物流関係事業者のみならず、あらゆる業界の事業者が抱える課題解決に貢献できるよう、サービスの拡大に努めてまいります。
※3 センコーと「未来の物流センター」運営の実証実験開始に向け合意(24年6月12日)
※4 タイミーラボ「Good率98%を誇る物流センターが、人と環境への投資を惜しまない理由」(2023年6月20日)
※5 タイミーラボ「タイミーで本気で取り組む、満足度99%の“体験”採用」(2024年5月13日)
※6 タイミーラボ「希望通りの転職を叶えたタイミーキャリアプラスにしかできない転職サポート」(2024年6月28日)
調査概要
調査名 :「物流2024年問題に関するアンケート」
調査期間 :2024年9月13日(金)〜9月17日(火)
調査対象 :タイミーに登録している事業者442社
エリア :47都道府県
調査方法 :インターネットリサーチ